遊びにきてくれてありがとうございます~ボクです!
今日は雨だから、お散歩なしだろうな・・・。
お気に入りの桜通りにも行けないね。
そういえば、今年はいっぱい~桜を見たんだよ。
お散歩コースの桜の道は
桜の季節になるとピンクのトンネルがず~っと続くんだよ。
ボクは今年も桜をたくさん見たよ。
家族と一緒にいっぱい~春を感じたよ。
お兄ちゃんにも見えたかな?
「うん 見えたよ!」
見上げたお空から、お兄ちゃんの声が聞こえた気がしたんだ。
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遊びにきてくれてありがとうございます~ボクです!
今日は雨だから、お散歩なしだろうな・・・。
お気に入りの桜通りにも行けないね。
そういえば、今年はいっぱい~桜を見たんだよ。
お散歩コースの桜の道は
桜の季節になるとピンクのトンネルがず~っと続くんだよ。
ボクは今年も桜をたくさん見たよ。
家族と一緒にいっぱい~春を感じたよ。
お兄ちゃんにも見えたかな?
「うん 見えたよ!」
見上げたお空から、お兄ちゃんの声が聞こえた気がしたんだ。
18才の誕生日から1週間。
食欲も出てきて、嘔吐や下痢の回数も減り、体調が落ち着いていた。
奇跡が起こったのではないか?
そう信じたい気持ちが家族にあった。
「少し落ち着いてるから、点滴は一日おきにしましょう」
この2ヶ月近く、毎日通っていた病院の帰り道・・・
お兄ちゃんを抱えて帰るママとチエの足取りがいつもと少し違う。
ずっと眺める余裕もなく往復してた風景。
街路樹の桜の木には桜の花が・・・
「今年も一緒に いっぱい桜を見ようね」
腕の中で静かな寝息をたてていた身体がピクリとし、クンクンと空を仰いだ。
誕生日から1週間・・・
久々に家族に訪れた穏やかな時間。
家族に残された記憶が辛く悲しいものではなく、
優しい時間となったのは、
きっとお兄ちゃんからの最期の贈り物だったのね。
お兄ちゃんパピヨンは2009年3月27日に
虹の橋へと旅立ちました。
2009年3月18日。
最近めっきり食欲が落ち、
ここ数日は少量の水以外、殆ど口にしなくなっていた。
大好きなチーズケーキを手に
ママとチエがハッピーバースディーを歌った。
今日は、お兄ちゃんの18才の誕生日だった。
殆ど聞こえなくなった耳に届いてるのだろうか?
殆ど見えなくなった目に映ってるのだろうか?
殆ど動かさなくなった鼻は感じてるのだろうか?
分かっていなくてもいい・・・
どんな状況でも誕生日を祝ってあげたい家族の気持ちだった。
次の瞬間、ママもチエも目をみはった。
顔だけをどうにか持ち上げ、目の前に差し出されたケーキにパクリしたのだ。
聞こえなくても、見えなくても、匂いを感じなくても・・・
家族の思いが届いた瞬間。
お兄ちゃんから、家族への誕生日プレゼント。
2009年1月末日
病気の再発。
もう治療の選択肢はなかった。
少しずつ食が細くなり、少しずつ・・・
でも確実に衰弱していった。
ママとチエは毎日毎日、お兄ちゃんを抱えて点滴に連れて行った。
休みの日は、たっちゃんが車で連れて行った。
今年の桜も一緒にみたい!
家族皆が、その思いだけだった。
花の名前のベットショップにきて一週間。
あの頃で残ってるのは、優しいお兄さんの記憶と、
もらったオモチャ。
真ん中を噛むとピーって鳴るんだ。
プルプル~。
ある日、お店の電話が鳴った。
そして、お兄さんがボクのとこに来て優しい声で言ったんだ。
「今度の土曜日、お見合いだ!
家族が出来るかもしれないよ。」
お兄さんが嬉しそうだったから、
ボクも嬉しい気持ちになったんだ。
そのちょっと前、ボクのかぞくの家でも電話が鳴った。
「今度の土曜日に、パピヨンちゃんとお見合いしませんか?って、どうする?」
ママがチエに聞いた。
「会うだけ会ってみようか」チエが言った。
言いながら、この数カ月の事を思い起こしていた。
ずっと一緒にいた愛犬の病気が見つかったのが、チエの誕生日。
17才という高齢での、麻酔を伴う手術に家族は悩んだ。
悩んだ末、少しでも長く一緒にいられる可能性に家族は望みをかけた。
家族の思いが通じ、手術は成功した。
これで大丈夫!
家族の誰もが、その時はそう思った・・・。