花の名前のベットショップにきて一週間。
あの頃で残ってるのは、優しいお兄さんの記憶と、
もらったオモチャ。
真ん中を噛むとピーって鳴るんだ。
プルプル~。
ある日、お店の電話が鳴った。
そして、お兄さんがボクのとこに来て優しい声で言ったんだ。
「今度の土曜日、お見合いだ!
家族が出来るかもしれないよ。」
お兄さんが嬉しそうだったから、
ボクも嬉しい気持ちになったんだ。
そのちょっと前、ボクのかぞくの家でも電話が鳴った。
「今度の土曜日に、パピヨンちゃんとお見合いしませんか?って、どうする?」
ママがチエに聞いた。
「会うだけ会ってみようか」チエが言った。
言いながら、この数カ月の事を思い起こしていた。
ずっと一緒にいた愛犬の病気が見つかったのが、チエの誕生日。
17才という高齢での、麻酔を伴う手術に家族は悩んだ。
悩んだ末、少しでも長く一緒にいられる可能性に家族は望みをかけた。
家族の思いが通じ、手術は成功した。
これで大丈夫!
家族の誰もが、その時はそう思った・・・。