18才の誕生日から1週間。
食欲も出てきて、嘔吐や下痢の回数も減り、体調が落ち着いていた。
奇跡が起こったのではないか?
そう信じたい気持ちが家族にあった。
「少し落ち着いてるから、点滴は一日おきにしましょう」
この2ヶ月近く、毎日通っていた病院の帰り道・・・
お兄ちゃんを抱えて帰るママとチエの足取りがいつもと少し違う。
ずっと眺める余裕もなく往復してた風景。
街路樹の桜の木には桜の花が・・・
「今年も一緒に いっぱい桜を見ようね」
腕の中で静かな寝息をたてていた身体がピクリとし、クンクンと空を仰いだ。
誕生日から1週間・・・
久々に家族に訪れた穏やかな時間。
家族に残された記憶が辛く悲しいものではなく、
優しい時間となったのは、
きっとお兄ちゃんからの最期の贈り物だったのね。
お兄ちゃんパピヨンは2009年3月27日に
虹の橋へと旅立ちました。
にほんブログ村